ファーストプライベート銀行が中間決算を発表(ヤンゴン証券取引所の上場企業情報。FPB : First Private Bankの2017年9月中間期は前期比ほぼ横ばい)
2017年12月14日、ヤンゴン証券取引所(YSX : Yangon Stcok Exchange)に上場するFirst Private Bank(FPB)は、2017年度上期(2017年4月~9月)にかかる中間決算を発表した。
金利収益は104.9億チャットと前年同期比8.6%増加、業務粗利益は53.4億チャットと同4.7%増、業務純益は39.9億チャットと微増。
2017年9月末時点の預金残高は1775億チャットと前年同期比5.6%増、貸付残高は1585億チャットと同17.2%増。
預貸比率は、2016年9月末の80.4%から89.3%と大幅に改善。手数料収益の減少を預貸比率の上昇により補った。
また、業務粗利益の上昇は販管費の増加(前年同期比21.1%増)によって吸収され、結果として前年同期比と同等の利益水準となった。
金融セクター全体が拡大基調な中、同行のトラディショナルかつコンサバティブなスタイルに変化は無く、全体としては物足らない決算となった。
KBZ銀行、CB銀行、AYA銀行等の上位行が店舗数、システム投資等を加速させる中、同行の出遅れが目立つ。販管費の上昇については構造要因と一過性要員の見極めが重要である。
目先の収支環境に大きな懸念は無いものの中長期的な競争環境は厳しくなっていくものと思われる。
<会社概要>
証券コード : 00004
社名 : First Private Bank Ltd. (FPB)
設立日 : 1991年9月9日
代表者 : Dr. Sein Maung(Chairman)
上場日 : 2017年1月20日
本店所在地 : ヤンゴン市、パベダン地区
事業内容 : 商業銀行
業績推移(※株価情報は2017年12月15日現在)
上場日 | 2017年1月20日 | |
株価(2017/12/15) | 26,500 | |
発行済株式総数 | 2,472,053 | |
時価総額(百万Ks) | 65,509 | |
PER(実績ベース) | FY15-16 | 10.2 |
FY 16-17 | 10.12 | |
PBR(実績ベース) | FY15-16 | 1.26 |
FY 16-17 | 1.14 | |
FY15-16 | 売上(百万Ks) | 18,843 |
税前利益(百万Ks) | 8,549 | |
当期利益(百万Ks) | 6,412 | |
純資産(百万Ks) | 52,019 | |
ROE | 12.3% | |
1株当たり利益(Ks) | 2,594 | |
1株当たり純資産(Ks) | 21,043 | |
FY16-17 | 売上(百万Ks) | 11,025.2 |
税前利益(百万Ks) | 8,632.8 | |
当期利益(百万Ks) | 6,474.8 | |
純資産(百万Ks) | 57,572.5 | |
ROE | 11.2% | |
1株当たり利益(Ks) | 2,619 | |
1株当たり純資産(Ks) | 23,289 | |
FY17-18 上半期 |
売上(百万Ks) | 5,343.5 |
税前利益(百万Ks) | 3,992.3 | |
当期利益(百万Ks) | N/A | |
純資産(百万Ks) | 56,875.6 | |
ROE | N/A | |
1株当たり利益(Ks) | N/A | |
1株当たり純資産(Ks) | 23,007 |
<FPB株価推移(上場日から2017年12月15日迄)>
株価は2017年8月につけた22,000チャットから反転基調だ。
現水準はPBR1倍割れにあたり金融セクター銘柄として安定収益を得ている状況からすれば、1倍を割れての大きな下振れリスクは限定的と見られる。
同行は1992年に民間商業銀行ライセンスの第一号企業として古くからの顧客を維持していることも収益の安定化に寄与していると思われる。
一方、現状の事業の方向性からは、今後の業界内における競争優位性は特段見られず、アップサイドのポテンシャルも大きくは無いと考えられる。
銀行セクターにおける外資の参入が本格化する中で、同行がどのような提携戦略を模索するかに注目したい。
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