ミャンマー証券取引センター(MSEC)の概要(ミャンマーで唯一の日系証券会社を通じてミャンマー株式に投資)
2020年3月現在、ミャンマーには6つの証券会社が存在する。これは以前掲載した証券会社リストから変わっていない。
今回は、そのうちで唯一日系資本である「ミャンマー証券取引センター」(MSEC : Myanmar Securities Exchange Centre Co., Ltd.)を紹介したい。
社名が「取引センター」となっているので紛らわしいが、同社はあくまでも証券会社。ミャンマーで唯一の証券取引所は「ヤンゴン証券取引所」(YSX : Yangon Stock Exchange)であり、位置付けは全く異なるので注意が必要。(そのような名称になった背景は後述)
同社は日本の大和証券の現地法人である為、証券口座開設に当たっては日本人投資家にも安心感が強いであろう。
<ミャンマー証券取引センターの企業概要>
社名(和文呼称) : ミャンマー証券取引センター株式会社
社名(英文呼称) : Myanmar Securities Exchange Centre Co., Ltd.
設立 : 1996年5月
代表者(社長) : 山口隆(やまぐちたかし)
所在地 : 1st Floor MEB (H.O) Bldg. 21-25 Sule Pagoda Road, Yangon, Myanmar (支店は無く、本店1か所のみ)
営業時間 : 午前9時から午後5時まで
資本金 : 150億チャット
資本構成 : ミャンマー経済銀行 50% (※1)
大和インターナショナル・ホールディングス 50% (※2)
※1.ミャンマー経済銀行(MEB : Myanma Economic Bank)は、ミャンマー政府が運営する国有商業銀行(詳しくはこちら)
※2.株式会社大和証券グループ本社(証券コード8601)の100%子会社
<大和証券グループとMSECの関わり>
MSECの歴史は古く、設立は1996年5月に遡る。
当時、ミャンマーで証券市場の創設を希望したミャンマー政府の要望に応じ、大和証券が証券市場を作るための準備会社として設立した。
ミャンマー政府と大和証券の合弁会社としてスタートした当初、同社自体を将来的に証券取引所に切り替える構想もあった。その為、証券会社(Securities Company)ではなく、証券取引センター(Securities Exchange Centre)という呼称が用いられた。
ミャンマーでは、政府との合弁会社を組成する際、一般の民間企業に適用される「会社法(Myanmar Companies Act)」とは別に、「特別会社法(Special Companies Act)」(1950)という枠組みがある。
同法の元では政府による特例的措置により通常では認められない事業活動が認められており、証券取引所が存在しなかった時代においても、MSECは特別会社法に基づきミャンマーで証券業務を許される唯一の会社として、株式のOTC取引(店頭取引)や国債の販売も認められていた。
2014年12月にはヤンゴン証券取引所が新設されため、同社は当初の機能から軌道修正を図り、証券会社としての方向性を固め、2016年2月に証券免許を取得して以降は他の民間証券会社と同等の位置付けとなっている。
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