ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

ミャンマー新会社法の状況(会社登記費用が25万チャットへ引き下げへ)

2017年12月6日に国会を通過した新会社法(Myanmar Companies Act)が、2018年8月1日より施行される見通しだ。

計画財務省傘下にある投資企業管理局(DICA:Directorate of Investment and Company Administration)では施行に向けた準備活動を進めており、新法の施行に合わせて会社設立登記等の事務が電子化される予定となっている。

ただ、準備は計画通りには進んでいないものとも見られ、準備の遅れが施行時期に影響を与える可能性も一部指摘されている。

ミャンマー経済・投資活動に大きな影響を与える会社法施行時期が遅れれば、ロヒンギャ問題等で冷え込むミャンマーへの投資熱を更に冷やしかねず、この点についてミャンマー政府がどこまで危機感を頂いているかの試金石とみることも出来るかもしれない。

<会社登記費用を引き下げ>

会社法施行に向けた準備の流れの中で、DICAは2018年3月13日、これまで50万チャットとしていたミャンマー企業(Private Companyに限る)の設立時の登記費用を、2018年4月1日より半額の25万チャットに引き下げることを公表した。

これは、2016年6月1日にそれまで100万チャットとしてきた費用を半額の50万チャットへ引き下げた流れを更に加速させる動きである。

ミャンマーでは、中小企業(SMEs)が約20万社存在すると言われているものの、実際に法人登記を行っている企業は約59000社となっており、法人形態では無い事業活動も多く見られる。こうした企業を法人化していく機運を高めていく取り組みとみられる。

 

各国の事業環境を評価している世界銀行(World Bank)はDoing Business 2018において、ミャンマーの全体順位を昨年の170位より1つ順位を下げて171位(190ヶ国中)としており、起業にかかる「Starting a Business」の項目では現在155位と位置付けられている。

ミャンマー政府において景況感の改善に向けた新興企業の発展を推進していく動きが加速していくことが期待される。

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