ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

ミャンマーの軍事クーデターが現実化(憲法廃止という最悪の事態の可能性も)

※ 本記事は2021年2月1日(ミャンマー時間午前9時半)に執筆しています。

二日前にお伝えした軍事クーデターの可能性が現実のものとなった。

昨日(1月31日)までは現地関係者の多くが、実際には軍による行動は起こりようが無いとの見通しを持っていたが、大方の予想に反し最悪の事態に発展しつつある

昨年11月の国政選挙を受けた初の議会(下院)が開かれるはずであった2月1日(月)の早朝、事実上の国家最高指導者であるアウンサンスーチー国家顧問、ウィンミン大統領をはじめ、政権与党である国民民主連盟(NLD)の幹部が首都ネピドーで多数拘束。国軍(Tatmadaw)は、軍系のテレビ放送(MWD)において、「非常宣言事態」を発令期間は1年間に及ぶことを言及している。

ミャンマーの政治構造上、副大統領2名のうち1名は国軍が指名可能な枠組みにある。現在の国軍指名のミンスエ副大統領が、大統領代理として就任し、行政・司法・立法の全権はミンアウンライン国軍司令官に移譲された。個人的には、1月29日に行われた最高裁による審理において、 連邦団結発展党(USDP) 等による訴えが棄却され、その結果を国軍が把握した可能性があるものと考えている。

2月1日未明から、全ての携帯キャリアの通信(通話・データ)、また、現地テレビ(上記のMWDを除く)も遮断されている。固定回線については、現地最大の通信会社MPTは遮断されているものの、我が家は幸い異なるISPを契約している為、この記事をお届けすることがぎりぎり出来ている状態にある。場合によっては、全ての通信が遮断される可能性も見込まれ、事態は極めて深刻化している。

ヤンゴンの街並みについて言えば、今朝から平穏さは保たれているものの、ATMには現金を引き出す人の列が並び、スーパーにも買い出しを行う人が殺到している。今後、更なる事態の悪化により、金融や物流が短期的には停止することも十分考えられるだろう。 コロナ禍において国際線の運行休止が続いているが、本日より空港も事実上、軍の統制下におかれている模様である。

今後の見通しについて、重要なポイントは2点だろう。

一点目は、NLD支持層が軍の行動に対する反発を強め、大規模なデモが発生する可能性は高い。その場合、デモの鎮圧に向けて、軍と民衆との物理的な対立が広まる懸念がある

二点目は、国軍が2008年制定の現行憲法を廃止する可能性だ。

国軍は、2020年11月総選挙において、NLDによる大規模な不正があったと主張している。民主的な選挙が否定されたことを強調している。民主化を標榜するNLDに対して、軍がこのような主張を行うことを多くの人は奇異に感じるかもしれない。

総選挙のやり直しの可能性も十分考えられる。

仮に現行憲法が廃止される場合、軍は現在の25%の議席枠の拡大を求める可能性がある。

憲法の起草、国民投票のプロセスには相当程度の時間が必要となるため、憲法廃止が行われた場合、ミャンマーの民主化は大きく後退することは間違いが無い

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