ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

ミャンマー情勢の最新情報 Vol.7(集会禁止令のデモへ与える影響)

※ 本記事は、2021年2月9(火)ミャンマー時間11時半に執筆しています。

※ クーデター発生日より、毎晩Clubhouseにて音声での情報発信を行っています(@myanshin)。ネット回線遮断時はご容赦下さい。ミャンマーの今を知って頂きたいという「信念」に基づいてお届けしています。

※ 企業向けに情勢分析レポートも別途承ります(info@tvpmyanmar.com)。現地ビジネス展開にかかる方針・シナリオ設計、合弁解消、資産売却、事業撤退手続き等幅広くご支援が可能です。

※ 発生日からの時系列、2月1日(月)2月2日(火)2月3日(水)2月4日(木)2月5日(金)2月8日(月)の記事も合わせてご覧ください。

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2月8日(月)はデモ発生後、初となる営業日となり、勢いづくデモが規模縮小に向かうのか、また実体経済への影響が生じ得るのかに、注目が集まっていた。結果的には、デモは7日(日)から更に拡大し、全土で10万人を超す規模に達した。多くの企業が事業活動の停止を余儀なくされた。ヤンゴンでは多くの銀行も休業した模様である。

本日9日(火)も引き続きヤンゴン各所においてデモが発生しており、国軍との衝突にかかる懸念が高まっている

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<国軍司令官による初のテレビ演説>

国軍は8日夕方、公共の場での5人以上の集会や夜間(20時から朝4時)の外出を禁じる命令を発出。 ミンアウンライン(Min Aung Hlaing)国軍司令官は、夜8時から国軍系テレビ局ミャワディにおいて、クーデター後初のテレビ演説を行った。その要旨は以下のとおり。

1.国軍は2008年制定の現行憲法を遵守する立場

2.2020年11月の総選挙での不正は、民主主義の根幹を揺るがすもの。選挙管理委員会(UEC : Union Election Commission)に改革は必要

3.非常事態宣言終了後に総選挙を改めて行い、政権移譲を行う

4.外交政策や外資呼び込みに対するスタンスは不変

5.コロナ対策の強化、雇用の創出に取り組む

今回のテレビ演説の内容はこれまでの軍による声明・方針に沿ったもので、新たな内容は特段加えられていないように見受けられる。ただし、国民に対して「感情に流されないように」とのメッセージが強調されており、この発言が今後の軍の動きに対してどのような意味合いを持つのかに注目が集まっている。

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<ヤンゴンへの軍の出動が現実化>

2007年のサフラン革命当時も、軍のデモ鎮圧化の前に集会禁止令が発令されたことから、8日の措置に対しては様々な憶測を呼んでいる。また、国軍司令官の演説が8日夜に行われたことも、治安維持という大義名分を強調するための前兆にも読み取れるだろう。

そうした懸念は現実のものとなりつつある。9日(火)午前10時半時点で、ヤンゴン市内北部から軍の車両が10台程南下中との情報が入ってきており、これまでの警察官による対応から、軍の投入に切り替わった可能性が高い。ヤンゴン市内における緊張は極限まで高まりつつある。

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<国連人権理事会の特別会合>

国連人権理事会(UNHRC : United Nations Human Rights Council )は8日、ミャンマーにおける人権状況にかかる懸念を巡って12日に特別会合を開催することを発表した。開催は、英国・欧州連合によって呼びかけられ、計47か国から支持を受けている。

特別会合は47の理事国のうちの3分の1、すなわち16か国の賛同により開催が可能。本件では、英国・ドイツ・フランス・日本等を含む19か国が賛同。また、オブザーバーの28か国のうちには米国が含まれている

先週末から続くミャンマー各地におけるデモでは、軍による鎮圧活動等の具体的な武力行為は行われていないが、12日までにそうした事態が生じれば、同会合における議論の中で批難の声が高まる可能性が見込まれ、ミャンマー軍事政権にとっては新たな火種になるものと思われる。

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<ミャンマーへの先行き懸念と投資家動向>

ヤンゴン証券取引所(YSX)の株価指数であるミャンピックス(Myanpix)は、クーデター発生直後に大きく下げたものの、その後買い戻しが入り、2月9日10:30現在、クーデター発生前から3,4%程度の小幅な下落に留まっている。これはYSXには依然海外投資家が極めて限定的であり、外からの売りが発生しにくい構図になっていることが挙げられるだろう。

一方、海外投資家のミャンマーに対する先行き懸念が広がっていることは間違いが無さそうだ。

シンガポール取引所(SGX)に上場するヨマストラテジックホールディングス(Yoma Strategic Holdings Ltd.)は、ミャンマーで最初に上場したファーストミャンマーインベストメント(First Myanmar Investment Public Co., Ltd)の姉妹会社として知られ、海外上場するミャンマー関連企業の筆頭格と言える。

クーデター勃発前(1月29日(金)の終値)の同社株価は0.275 Sドル、また直近の売買高は概ね1日3,4百万株程度であった。しかし、クーデター発生日及びその翌日(2月1日・2日)は取引が成立せず、3日には大きく売り注文が先行し株価は0.205 Sドルと25%超暴落、また売買高は一気に7千万株を超えるまでに膨らんだ。ミャンマーに対する海外投資家の期待が大きく損なわれ、また特に同社の資産エクスポージャーの大きいミャンマー不動産市況に対する先行きを懸念する動きと考えて良いだろう。

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