ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

ミャンマーエネルギー事情に変化(2021年までに電力供給量を倍増へ)

2018年1月、ミャンマー政府は2021年までに現在の電力供給量を倍増させる計画を公表した。ガス火力発電所の建設を急ぐ

 

ミャンマーでは、現在51百万人の人口をかかえる中、電力の供給を享受出来ている割合は3分の1程度であり、都市部でも特に夏場には未だ停電が絶えない。

 

海外からの投資、特に製造業の誘致に向けては、電力インフラの不足が常に問題視されている状況にある。

ミャンマー経済を持続的な成長に向かわせるためには、是が非でも電力の供給力の向上が避けては通れない。

 

2016年3月に発足したNLD政権(Daw Aung San Suu Kyiが実質的にリードする政権)は、当初からエネルギー問題への対応を優先政策として掲げていたものの、これまで目立った施策は打ち出せてこなかった。

前政権時代に進められていた石炭火力発電プロジェクトについては、環境への影響を背景とした地元住民の反対に配慮し中断を余儀なくされてきた。

 

そのような中、今回、合計51.6億ドルの投資認可により4つのガス火力発電所を建設することを公表した。

仮に計画通り進められれば、現在の供給量である約3,000MWに対して、2021年までに追加で3,100MWのエネルギー供給力が確保され、供給力は倍増する。

4つの発電所建設プロジェクトには、Total(フランス)、Siemens AG(ドイツ)、Zhefu Holding(中国)、 TTCL(タイ)、Sinohydro(中国)、Supreme(ミャンマー)の6社が関わる予定となっている。

 

建設場所、事業社及び発電量は以下のとおり。

1.タニンダーリ管区のKan Pauk(TotalとSiemens、1,230MW、輸入LNG)、

2.エーヤワディ管区のMee Laung Gain(Zhefu Holding、1,390MW、輸入LNG)、

3.ヤンゴン管区のAhlone(TTCL、365MW、輸入LNG)、

4.ラカイン州のKyaukphyu(SinohydroとSupreme、135MW、天然ガス)

 

但し、これまでも発電施設のプロジェクトは、計画としては進んでいても、PPA(Power Purchase Agreement)の締結に進めず、結局、建設に至らず頓挫する事例も多かった。

その意味では、今回の発表について国内外でその実現性について懐疑的な見方をする向きも決して少なくは無い印象を受ける。

NEOMONEY
海外

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