ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

新会社法の運用開始は2018年8月までずれ込む可能性

2017年12月11日、会社法を所管する投資企業管理局(DICA:Directorate of Investment and Company Administration)の局長は、海外メディアの取材に対し既に大統領の署名がなされている新会社法の運用開始を2018年8月1日以前とする方針を示した。つまり、最大で運用開始は7,8ヶ月延びるということになる。

通常、ミャンマーでは法令(Law)については大統領の署名後速やかに施行日が定められ、3ヶ月以内には施行規則(Rules)が制定されることとなっている。本会社法では、現時点で施行日は定められておらず、その運用開始日についての疑問が関係者の間では議論となっていた。

DICA局長の説明によれば、今般の抜本改正に伴っては行政上の内部手続きの見直しおよびマニュアル作成等も必要であり、それら準備には一定の時間を要すとのこと。本改正は、2014年から進められていたものであり、何故事前にやっていなかったのかとの突っ込みもあろうが、ミャンマーに馴染みのある方であればこの計画性の無さはむしろ親しみを覚える。

 

行政運用上の準備という観点では、おそらく外国企業の定義変更に伴う実務運用整備が最大のパートと見込まれる。DICA内では、これまでの会社法上の定義をもとに、主に書面(必ずしも電子的な記録媒体を有していない)により、内国企業と外国企業を明確に区分し、異なるセクションで管轄してきている。例えば、既に外国企業が20%の株式を有するJVは当然にして外国企業として区分されてきたわけであるが、これが新法では内国会社として管理されることになる。或いは、公開会社(Public Company、後述の補足参照)については自由な株式の異動が生じる中、如何にして35%のラインの管理を行うかという課題もある。

また、今般の35%ルールについては一部の業種を除外するという議論がこれまで進められてきており、例えば銀行業については適用除外とされる見通しである。具体的に除外される業種は現時点で明らかでは無く、DICAは縦割りになっているミャンマー各省庁の意向を調整してこの点についても明確化することが求められている。

 

<補足>公開会社(Public Company)とは

公開会社(Public Company)と非公開会社(Private Company)は会社法上の定義であり、全てのミャンマー法人はいずれかに属する。本定義は、旧会社法から存在し、新法においても変更はされていない。

主な違いは、株主数および一般大衆に対する株式募集行為であり、そのことにより投資家保護にかかる開示規制等についても異なる規定が適用される。

非公開会社は、株主数が50名までと定められており(新法2条a項)、公開会社にはその制限が無い。従って株主数が50名を超える場合には公開会社へ移行する必要がある。

法57条b項では、非公開会社は公開会社へ会社ステータスを移行することが可能で、また逆に公開会社が非公開会社へ変更することも認めている。

また、公開会社は株式の譲渡制限が外れており、すなわち、株式の売買について非公開会社では取締役会の承認が求められるところ、非公開会社では自由な株式の売買が可能とされる。

一般大衆に対する株式募集行為(公募増資)、或いは社債発行については、公開会社のみに認められている。この点も旧法から変更は無い。

よくある勘違いは、公開会社と上場会社(Listed Company)の混同であるが両者は明確に異なる。上場会社は必ず公開会社であるが(上場基準に公開会社であることが含まれている)、公開会社が必ずしも上場会社であるわけではなく、未上場の公開企業もミャンマーでは多く存在する。

また、公開会社はPublic Companyと呼ばれるが、これは株式が公に開かれているという意味であって、政府の関与があるという意味合いでは無い。また同様に、非公開会社はPrivate Companyであるが、ここでいうPrivateは民間という意味ではない。民間企業は公開会社の場合もあれば非公開会社の場合もあるという理解になる。

 

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