ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

ミャンマーの保険業界(保険会社の一覧および外資開放の可能性)

銀行業界の歴史において記載した通り、1976年にビルマ連邦人民銀行(Peoples’ Bank of the Union of Burma)は解体され、全ての保険業務については、ミャンマー保険公社(MI:Myanma Insurance)に引き継がれることとなった。

1993年に制定されたミャンマー保険公社法(Myanmar Insurance Law)では、MIに再保険事業を含む全ての保険業務を行うことを可能とする旨が規定された一方、1996年には保険の民間開放に向けてInsurance Business Lawが施行。同法において保険管轄当局としてのIBSB(Insurance Business Supervisory Board)が設立されることとなった。

その後、長らく続いたMIによる保険事業の独占はIBSBが2013年に民間企業へライセンス交付することで終焉を迎える。民間(一部、軍関連企業含む)から20社が申請を行い、そのうち以下の12社が認可を得ることとなった。

<保険会社一覧>

保険会社名 事業区分 会社形態 グループ
1 IKBZ Insurance Co., Ltd. 生損保 非公開会社 KBZ
2 Grand Guardian Insurance Public Co., Ltd. 生損保 公開会社 Shwe Taung
3 First National Insurance Public Co., Ltd. 生損保 公開会社 Htoo
4 AYA Myanmar Insurance Co., Ltd. 生損保 非公開会社 Max Myanmar
5 Young Insurance Global Co., Ltd. 生損保 非公開会社 Young Investment
6 Global World Insurance Co., Ltd. 生損保 非公開会社 Asia World
7 Excellent Fortune Insurance Co., Ltd. 生損保 非公開会社 Excellent Fortune
8 Aung Thitsa Oo Insurance Co., Ltd. 生損保 非公開会社 UMEHL
9 Pillar of Truth Insurance Co., Ltd. 生損保 非公開会社 Parami Energy
10 Capital Life Insurance Co., Ltd. 生保 非公開会社 CDSG
11 Citizen Business Insurance Public Ltd. 生保 公開会社 KMA
12 Aung Myint Moh Min Insurance Co., Ltd. 生保 非公開会社 MEC

 

<保険会社の資本金要件>

保険会社の資本金要件は、ライセンス区分により以下の通り規定されている。

また、全ての民間保険会社は資本金の4割を国営銀行に預け入れることが求められている。

生損保(両方) : 460億チャット

生保のみ : 60億チャット

 

<外資開放の見通し>

2017年11月末現在、外資系保険会社24社がミャンマーに駐在員事務所を有している。

日系では、生保で太陽生命及び第一生命、また損保では損害保険ジャパン日本興亜、三井住友海上及び東京海上の3社が進出しており、損保3社についてはティラワ経済特区内で火災保険や自動車保険の販売について、特例的に営業が認められている。

ミャンマー政府は保険業務の外資開放に積極的であり、近々外資開放に向けた新たな指針が公表される見通しとなっている。

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