ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

ヤンゴンの不動産価格(高止まるオフィスとレジデンス賃料が駐在費用を押し上げる)

外資系企業のミャンマーへの進出意思決定に際して常に障害になるのがヤンゴンの高い不動産価格だ。

バンコクやホーチミンと比較し、不動産そのもののクオリティは決して高く無いものの、その価格は他の都市を決して下回る事は無い。

オフィスのみならず、レジデンス(コンドミニアム、及び駐在員の多くが好む清掃等が含まれたサービスアパートメント)、ホテル、リテール家賃等、外国人が利用し得るものは全て高い。当然、一部ローカルマーケットへも波及が起こる。

 

2011年の民主化以降、外国人、特に中国人による不動産購入が積極化。

資金に余裕のあるミャンマー人富裕層も、そうした動きに連れられ不動産投資を加速。

制度上は外国人は不動産を購入は出来ないものの(直近ではコンドミニアム法の施行により一部解禁)、ミャンマー人の名義を借りた購入が横行。

供給量が限定的な中、需要の急激な増加にマーケットの価格形成がゆがめられた。

不動産価格の上昇は、現地ビジネスの収支を大きく狂わせる環境にもつながってきた。

 

ミャンマーでは公示価格等の公表が無く、統計的な確認は取れないものの、2015年あたりをピークとして不動産価格はうなぎ上りとなり、足元では供給の増加により、価格変動は沈静化。

若干の低下傾向にあるものの、全体感では依然としてなお高止まりしている。

 

<ヤンゴンのオフィス賃料の推移>

ヤンゴンの平均的なオフィス賃料の直近の推移は下の表の通り。2017年第4四半期(10-12月)の平米単価は43.5米ドルとなっている。

日本人にわかりやすい坪単価で言えば、143米ドル/坪、坪当たり1万6千円程だ。

東京都心部の中型ビル(50~100坪)の家賃を調べてみると、この価格帯は、六本木・麻布、日本橋、歌舞伎町、辺りの価格と近似している。

ちょっとわかりづらい比較かもしれないが、要は、ヤンゴンの平均的なオフィスの単価は東京の都心部の価格と比較しても遜色無い。

2018年の第4四半期には40.6米ドルまで低下することが見込まれているが、それでもなおオフィス賃料の高さは許容できる水準を超えていると言える。

2016 Q4 2017 Q 2017 Q2 2017 Q3 2017 Q4 2018 Q4 F
USD/SQM/Month 45.6 45.8 45.8 45.2 43.5 40.6

Source : Collier International Myanmar 資料よりTVP Japan作成

 

<ヤンゴンのサービスアパートメント価格推移>

2012,3年頃より日本人駐在員は急激に増加したが、この頃、駐在員が住める場所は、実質三つのサービスアパートメントしか無かった(サクラレジデンス、マリーナレジデンス、ゴールデンヒル)。

新たな駐在員は、少ない選択肢の中、これらの住居を求め、順番待ちの状況に追い込まれた。

その後、シャングリラレジデンスやロッテのサービスアパートが開業され、またサービスの付いていないコンドミニアムも多く登場し、住居の選択肢は大きく広がった。

下の表は、ヤンゴンのサービスアパートの直近の家賃価格の推移。

単身者用の1ベッドルーム(1BR)はもちろんのこと、家族連れの駐在員が住む3BRや4BRの価格は、日本で住んでいる感覚からすれば信じがたい金額に映るだろう。

Stadio 1BR 2BR 3BR 4BR
2017 Q4 1,930米ドル 3,640米ドル 4,500米ドル 5,370米ドル 7,730米ドル
2017 Q3 2,330米ドル 3,900米ドル 4,845米ドル 5,580米ドル 7,485米ドル
2017 Q2 2,190米ドル 3,465米ドル 4,865米ドル 5,520米ドル 7,580米ドル
2016 1H 3,107米ドル 3,635米ドル 5,139米ドル 6,493米ドル 8,058米ドル

Source : Collier International Myanmar 資料よりTVP Japan作成

 

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