ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマー経済・投資の実際

TMH Telecom Public Co., Ltd.が上場(注目のYSX初の公募案件の初値状況)

2018年1月26日、TMH Telecom Public Co., Ltd.(TMH)が、ヤンゴン証券取引所(YSX : Yangon Stock Exchange)で5社目となる上場を果たした。

※同社の公募の募集状況等は、こちら

同社の上場は、4社目の上場となったFirst Private Bank(FPB)の上場からほぼ一年振りとなり、ここもと停滞がささやかれてきたミャンマー資本市場が再活性化することが期待されている。

特に、今回は上場時に公募増資を実施し、YSXにおける初の資金調達の実績を作ったことが評価される。

これまでの既存4社では上場時に公募増資を実施せず、既存株を上場するだけに留まってきた。また同4社は上場後もこれまで公募増資を行っておらず、取引所において資金調達を行った例が無かった。

TMHの資金調達額は、16億Ksと極めて限定的であるものの、公募増資にかかるフロー等が構築されてきたことは今後の資本市場運営上、重要な意味を持つものと考えられる。

 

初値状況

YSXでの上場に際しては、証券会社による株価算定を元に「参照価格」が定められ、当該価格を元に取引の値幅制限が設けられる。

TMHの参照価格は3,000Ksであり、当該価格を発射台に、初日前場取引は3,250Ks、また後場取引(引け値)は3,200Ksとなり、参照価格対比6.7%の上昇率となった。

前回のFPBでは初日においてストップ安が生じ、投資家に対する懸念が広がったことに比較し、TMHでは無難に初日を乗り切ったと言えよう。

また公募増資を受けた初日売買高は9,788株に留まった。これは、発行済株式総数に対してわずか0.08%に過ぎず、これまでの上場4社と比較しても最も低い売買状況となっている。

本来であれば、公募増資に参加した一般投資家の一部が上場日に売りに出ること(日本では2-3割程度が上場日の売りに出ると言われている)、また募集時に超過需要があったものが初日の買い注文につながることから、公募に伴い売買高は膨らむはずである。

このことは、ミャンマーにおいてはIPOディスカウント(Fair Valueに対して公募価格を安く設定すること)の概念が浸透しておらず、初日に利益確定するという考え方が無いこと(従って公募参加者が売りに回らない)、また今回のTMHの募集環境が厳しく超過需要が限定的であったことが背景として推察される。

また、そもそも論としてYSXにおける新規上場銘柄への関心が薄れてきていることも、売買の活発化に結び付かなった要因となっているものと考えられる。

 

上場各社の初値状況

上場銘柄 TMH FPB MCB MTSH FMI
上場日 2018年1月26日 2017年1月20日 2016年8月26日 2016年5月20日 2016年3月25日
参照価格 3,000 Ks 39,000 Ks 6,800 Ks 40,500 Ks 26,000 Ks
初日終値 3,200 Ks 34,000 Ks 7,800 Ks 50,000 Ks 31,000 Ks
初日騰落率 6.7% -12.8% 14.7% 23.5% 19.2%
初日売買高 9,788 5,744 12,996 10,157 112,845
発行済株数
(上場日時点)
12,212,906 2,472,053 10,400,986 3,892,915 23,480,013
初日回転率 0.08% 0.23% 0.12% 0.26% 0.48%

 

 

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